インフラエンジニアにおいて資格は必要か?というテーマを語ります。
人によって経験も能力も全く異なるため、様々な意見があるのは当然です。
自分は資格取得による恩恵が大きかったため、
1つの成功事例として参考にしていただければと思います。
この記事ではAWSインフラエンジニアについて言及します。
フロントやバックエンドについては、
インフラと比べて相対的に資格の価値が低いと判断しています。
よって、ここでは言及しません。
特にAWSに焦点を当てているのは、自身の経験を踏まえた内容となるためです。
主に未経験・微経験のインフラエンジニアへ向けて書いてます。
転職と技術力向上の観点から述べていきます。
なぜ、転職のために資格を取得するのか
インフラ未経験、微経験の方ほど取得する価値は大きいです。
インフラエンジニアは、資格が評価される特殊な業種です。
一方、転職で最も重要視されるのは実務経験の内容です。
ただし、実務経験が乏しい場合は、スキルを証明する手段が限定されます。
自分は手段の1つとして資格取得を選びました。
実務経験がないのであれば、戦略が必要です。
資格があると評価は間違いなく上がりますが、
闇雲に取得するのは非効率です。盲信は危険です。
その点も踏まえて戦略を考えて取得する必要があります。
転職時の経験
自分はIT業界に参入時と、AWS設計構築案件に参入時に2回転職をしました。
2回とも派遣社員ですが、資格は大いに役立ちました。
IT業界へ参入
IT業界へ参入時は、LPIC1とAWS CLFを取得した状態で転職しました。
長く働くことは考えていなかったので派遣社員としてスタートを切りました。
インフラエンジニアに限った話になりますが、
未経験の場合は、LPIC1、CCNA、SAAのいずれかを取得していない場合は、
ろくな現場に入れないと思ってください。
良いスタートを切るためには上記の1つは取得しておいた方が良いでしょう。
資格取得が当たり前の中、それすらもない場合は厳しいです。
「あなたに何ができるの?」って印象です。
もちろん、他にアピールできる武器があれば別ですが。
AWS設計構築案件へ参入
次にAWS設計構築案件へ参入時の話です。
実務経験はセキュリティ監視業務1年弱、
資格は16個(AWS12冠、LPIC1、CCNA、PCA、基本情報)を取得していました。
その状態で派遣ポータルサイトから20件ほど応募した結果は、20件全て書類選考落ち。
1つや2つは引っかかると思っていましたが、現実は違いました。
実務経験フィルターを突破しないと、いくら資格を取得しても意味がないことを知りました。
自分はルビコン塾の受講生でもあり、メンターのルビコンさんに相談しました。
そこで職務経歴書の作り込みが甘く、実務経験及び学習のアピールが乏しいことが判明しました。
改善して再応募したところ数件は面接まで漕ぎ着けました。
実務経験フィルターを突破した段階で、資格が評価されることを感じました。
最終的にAWS設計構築案件に参入できましたが、
資格だけで案件獲得は厳しいことを痛感しました。
また、ボトルネックを特定し、改善しないことには資格の効果も発揮されないことを知りました。
ルビコンさんの職務経歴書添削の相談は有料ですが、非常に好評です。
僕自身も相談して本当に良かったと思います。
ちなみに塾生以外も受け付けているようです。
リンクを貼っておくので興味のある方は見てみてください。
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転職時に役立った資格
次に、AWSインフラエンジニアを目指す上で役立った資格をお伝えします。
転職時に評価を感じたのは、SAA、SAP、LPIC1、CCNAの4つです。
一方、それ以外の資格は評価された感覚はありませんでした。
上記4つの資格に関しては、案件の募集要項にもよく記載されています。
取得する価値のある資格と言えるのではないでしょうか。
それぞれの資格について所感を述べます。
AWS SAA
AWS資格と言えば、SAAです。
AWSインフラエンジニアになるなら取得するべきと言えます。
募集要項にもSAAレベルの知識を有する方と、記載をよく見かけます。
見方を変えれば、SAAさえ持っていれば条件は満たせるということです。
一定の評価を得られる可能性は高いです。
迷うくらいならとりあえず取得を目指して突っ走るべきです。
AWS SAP
SAAの上位互換です。
取得できれば転職に優位にはたらく可能性は高いです。
ただし、難易度も高めです。
資格取得が得意な方であれば、頑張って取得することをオススメします。
特にCloudTechを使えば学習時間は半減すると思います。
ただし、問題文がキツすぎるという方は、無理に取得しなくて良いです。
資格勉強にあてる時間を使ってハンズオン学習などを通して技術力を上げたり、
ポートフォリオを作る方が、戦略として効果的な方も多いと思います。
LPIC1、CCNA
LPIC1ではLinuxの基礎、CCNAではネットワークの基礎が学べます。
資格として一定の評価もあり、実務上でも学びが役立ちました。
余力があれば取得をオススメします。
ただし、AWSを学ぶ上では優先度が低い内容も含まれるため、割り切る必要はあります。
ちなみに難易度で言うと下記の印象です。
CCNA > SAP > SAA = LPIC1
最初にCCNAに手を出すのは危険かもしれません。
受験料も高いので落ちた時の絶望感も大きいです。
資格を大量に取得して転職する戦略について
結論からお伝えすると一般的には推奨しません。
評価されない資格が多いため、学習に対するコスパは良くありません。
転職のためにAWS全冠を目指すとかは、手段が目的化している良い例です。
自分は主に以下の理由から、AWS全冠取得を短期間でチャレンジしました。
- 転職希望時期から逆算して、転職3ヶ月前までに間に合う確信があった
- AWS資格に関してはCloudTechがあり、短期間で取得する道筋が見えていた
- 短期間で資格を大量に取得した事実が、学習意欲や向上心の証明になると考えた
- 勉強法を確立したのでより確信を深めたいと思った
- 気持ちが乗っているうちに一気に取得して、資格取得フェーズを卒業しようと考えた
- なんとなくSNS映えしそう(笑)
上記理由をもって、2ヶ月間は資格勉強に集中し、ほぼ週1のペースで受験しました。
資格取得する理由は人それぞれだと思いますが、
目的が転職ならだらだらやってる場合ではないことは確かです。
大量取得するなら短期間と決めてください。
基本的には、資格取得はほどほどにし、違う戦略を練った方が良いです。
目的を見失わないことが大事だと思います。
ちなみに学習意欲や向上心のアピールは面接で役立ちました。
1つ突出したものがあると他もできると思われる心理(ハロー効果)もあります。
そういうのは狙って面接でアピールしてました。
ただし、あくまで資格は通過点と伝えていました。
個人的にはプラスになったと感じます。
正社員、派遣社員、フリーランスの転職で資格は役立つのか?
エンジニア同士の交流や転職相談で得た知見をもとに意見を述べます。
自分の経験は派遣社員のみなので派遣中心です。
正社員の転職
AWSパートナー企業など、会社によっては一定の評価を得られる可能性があります。
また、未経験・微経験向けの募集で、学習意欲を重要視する場合はかなり好印象だと思います。
ただし、資格の有無で合否が分かれるようなことはないと思います。
派遣社員やフリーランスと違い、面談方法や質問の種類も幅広く、
企業に合わせた対策を取るのが最善だと考えます。
派遣社員の転職
派遣元企業の方針が全てです。
自分は10社ほど派遣登録をしました。
資格を全く評価しない会社もあれば、評価が高い会社もあります。
AWS資格を評価しない企業も多いです。(面接まで進めば違ったかもしれませんが)
派遣担当者もSAAは知っているぐらいの知識です。当てになりません。
派遣元企業専用のフォーマットに、取得した資格の項目がないことはザラです。
自由記入形式の場合も削られる可能性があります。
派遣先との面接時に面談シートを確認しましたが、
取得資格は16つから4つ(SAA、SAP、LPIC1、CCNA)にされていました。
取得数のインパクトを狙っていたので、
急遽派遣元に頼み、自分の職務経歴書を使用して面接を行いました。
そこで初めて16つを取得したことが判明し、
最後まで好印象の流れで内定をいただきました。
人によって条件が異なるので、自分に合う派遣会社が見つかるまで数打ちが必要です。
職務経歴書を充実させてエントリーしてください。
派遣でも受け身ではなく、自ら案件を取りにいく姿勢が重要です。
フリーランスの転職
資格はほぼ評価されないと判断しています。
最初からフリーランスを目指す前提であれば、
有効な実務経験ができる現場に入った時点で資格勉強は不要と思われます。
ただし、新しい技術のキャッチアップ力はより重要視されます。
資格取得の経験は、説得力を持たせるネタにはなるかもしれません。
技術力向上に資格は役立つのか?
得られる技術力を数値化してみる
完全に主観ですので参考程度にお考えください。
実務でも問題なく進められるレベルを10と仮定します。
実務経験は最強です。
0→10までレベルアップできます。
資格勉強は0→1のレベルまで上がります。
実務で用語の意味や何がしたいかはわかるといったところでしょうか。
ハンズオン学習は0→5のレベルまで上がります。
体で身についてくる感覚があると思います。
ただし、その先はどうしても実務経験が必要です。
では、最初からハンズオン学習が良いのでは?
そう思うかもしれませんが、人それぞれです。
0→1は馬鹿にできません。
意味もわからず、説明をなぞるだけのハンズオンは学習効果が低いです。
そのレベルならいったん立ち止まっても良いかもしれません。
事前のインプットがあると1→5の早さが全然違います。
事前のインプット方法は何でも良いと思いますが、
資格勉強は体系的に勉強ができる上に、
目的意識もあるので取り組みやすいです。
一方、実務経験を積み始めると別です。
全く違う技術でなければ前提知識を持っていることが多く、考え方を転用できます。
その場合は既にレベル1には達しているような状態です。
よって、技術力向上のために資格勉強を通る必要はないと思います。
もったいないのは資格取得をした方の大半が、
レベル1で止めてしまっていることです。
資格取得は役に立たないと言われる理由の1つだと思います。
転職や資格報奨金狙いなどの手段として考えているのであれば良いです。
ただ、今後仕事で使う可能性がある技術や、
興味がわいた技術ぐらいはせっかくなら触ってみるのが良いのではないでしょうか。
問題集回して資格取っても意味ない、ずるいと言う意見について
人それぞれいろんな意見があると思います。
僕にとって資格は手段でしかありません。
最短で取れるかが全てだと考えています。
技術力向上に役立つかどうかは、正直どうでも良いぐらいでした。
時短した分、ハンズオンすればいいと割り切ってました。
それに未経験転職組は、綺麗ごと言ってられないですよね?
生活がかかってます。
仕事を辞めてチャレンジしている。
何が何でも今の環境から抜け出したい。
年齢的にもう後がない。
家族を養わなければならない。
人知れぬ事情があります。
そして、上手いことやりながら世渡りしている人は死ぬほどいます。
それに比べたらあまりにもちっぽけな話です。
最短で取りに行って何が悪いのでしょうか?
挫折するぐらいなら、どんな手段を使っても生き残るぐらいの気概が必要です。
資格なんて必要ないよって言われるケースについて
現場の仕事が最優先
まず、IT業界で働いているのであれば、
現場で自分が貢献できているかを客観的に考えるべきだと思います。
現場の仕事もままならないのに、資格ばかり勉強していたら非難されるのは当然です。
「資格頑張りたいのはわかるけど、その前にやることあるんじゃない?」って評価です。
もし、迷惑かけてるとか、ついていくのがやっとの段階であれば、
仕事のための勉強を最優先するべきだと思います。
仕事が人並み以上にできるようになってから資格勉強してください。
「いつも仕事頑張ってるし、プライベートでも勉強してるなんて素晴らしい」と印象が180度変わります。
「いつまで経っても余裕なんてないけど?」って場合もあります。
今仕事で取得したい技術を学べているかがポイントかと思います。
学べているとしたら資格勉強よりも遥かに良い経験をされています。
何も問題ありません。
一方、大した技術も学べない場合は、
早めに転職を検討された方が良いかもしれません。
迷惑かけない程度に、転職に向けて準備を進めましょう。
自分の人生です。割り切りも大事です。
資格よりも技術力を高めることに注力した方が良いという意見について
技術力を高めることについては賛成です。
資格取りまくるぐらいなら技術力を高めることに注力した方が良いです。
ただし、初心者にとって資格を完全に無視するのは厳しいのではないでしょうか。
たまに資格とかをすっ飛ばして未経験・微経験から良い案件を獲得する人がいます。
その1年後には高単価案件を獲得してたりします。
運だけではなく、必ず理由があります。
観測する限り、努力家な上に戦略的でセンスがある方が多いと思います。
例えば、1から簡単なアプリを作ってみるのが良いという意見があります。
その気持ちはわからなくないです。
ただ、環境構築からつまずいている人ができるでしょうか?
自分もそうでしたが、LinuxとかAWSって単語自体初めて聞いたような方もいます。
一般的な未経験はそんなレベルです。
自信がある方はチャレンジするのが手っ取り早いですが、当てはまる人は少ないと思ってます。
また、チャレンジするにも主要な資格を1つか2つは取ってから進めた方が、
精神的にも良いと考えています。
資格は必要ないと言い切る人について
資格は必要ないって言い切る人は、どういう方でしょうか。
もしかしたら、これまで資格ばかり取ってるエンジニアを見てきて、
現場では大したことなかったと、経験の上で発言されているかもしれません。
確かに技術が追いついていない方もたくさんいます。
そう思うのも無理はないです。
ただ、資格勉強どころか、自己学習をしない人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。
資格勉強は手を出しやすく、習慣化もしやすい性質があります。
何とか成長しようと頑張っている中、
その芽を摘むような発言は余計なお世話だと思います。
未経験からIT業界に参入する場合、右も左もわからない状態からスタートします。
自信もスキルもないし、多かれ少なかれ不安はあると思います。
その中で資格があるというだけでも気持ちが楽になります。
情報系の学部出身、昔からIT業界にいる方は、
未経験から参入する不安は絶対に共感できません。
スマホ操作ができない高齢者の気持ちを考えたことはありますか?
考えようとも思いませんよね?
考えたところで想像でしか理解できません。
そんな感覚です。
資格なんて必要ないって簡単に言うなよって思います。
ただ、お互い相容れないのはもう仕方ありません。
今は言わせておけ!
そんな言葉気にならないぐらい這い上がって見返してやれ!
その先は実務経験で得られます。
そこまで到達するための手段として何が有効か、今一度考えてみてください。
僕はその先で、同じような境遇の人に温かい言葉をかけられる人でありたいです。
最後に
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
資格取得は熱心に取り組んでいたこともあり、
思いを込めて記事を書き上げることができました。
ご自身にとって最善の選択をするためにこの記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
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AWSインフラエンジニアにとって効率よく学べるのもポイントです。
Linuxやネットワークの勉強は非常に重要ですが、
AWSインフラエンジニアになりたいのであれば優先度が低い分野もあります。
その点を効率的に押さえることができるのは嬉しいです。
AWS未経験、微経験の方はこれだけやれば、
実務経験前の事前準備としては問題ないレベルに到達します。
現役の方も良い復習になりますし、触ったことのないサービスのキャッチアップが可能です。
2024年12月16日にロードマップがアップデートされたばかりなので、
僕も復習のためこれから学び直していくつもりです。
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